Glass work method


吹きガラス パート・ド・ヴェール バーナーワーク グラスフューギング グラヴィール
サンドブラスト カット(切子) エナメル絵付け ステンドグラス ガラスエッチング

[ 参考文献 ]
【産地別 すぐわかるガラスの見わけ方(改訂版)】井上 暁子 2003 ?東京美術【NHK趣味百科 ガラスへの招待】由水 常雄 1994 日本放送出版協会 【グラスフュージングBook One】Boyse Lundstrom/Daniel Schwoerer 1986 十条商事?  【ガラスの歴史】ダン・クライン/ウォード・ロイド 1995 西村書店 【ガラスを楽しむ】岡本 文一 1993 講談社 【世界のとんぼ玉】谷一 尚/工藤 吉郎 2000 ?里文  【ヨーロッパのガラス】オルガ・ドラホトヴァ 1988 岩崎美術社 【ガラス工芸ノート】視覚デザイン研究所 編集室 1991 視覚デザイン研究所 【ガラス大百科 All about glass】友部 直 1993 ぎょうせい  【ガラスの話】由水 常雄 1988 新潮選書 【だれにでもできる ガラス工芸】由水 常雄 2002 文遊社 【ステンドグラスの立体技法】ステンドグラスアートスクール技術書編集室 2005 ?美術出版社  【日本のガラス】戸澤 道夫 2001 ?里文 【世界ガラス美術全集 全6巻】由水 常雄 1992 求龍堂 【(別冊太陽)アール・ヌーボー/アール・デコ?】高橋洋二 1996 ?平凡社
[ 図録 ]
【花の様式 ナンシー派展】 2001 Bunkamuraザ・ミュージアム 朝日新聞社文化企画局 【ガラス博物誌】真道 洋子 2005 中近東文化センター
吹きガラス

▼ 宙吹き(手吹き)
熔解釜では まず投入するガラス原料の組成を吟味し 蜂蜜状に熔けたガラスの粘度を調整する。作品の大きさに従って坩堝(るつぼ)と呼ばれる窯から溶けたガラス種を金属製の吹き棹に巻き取り 別の先端から息を吹き込んで種を膨らませ 棹を回転させながら 大理石のテーブルの上を転がしたりして(マーヴァリング) ガラスを半円筒状に整える。 また柔軟性を保つために 常にガラスを温め直したりしながら  さらに熔けたガラスをその上に巻き取り  型を使わないで金属製の道具などを使って形を整える。 少量のガラス種のついた別の棹(ポンテ)を器の底の部分に溶着させて 口縁部を切り離して成形後は徐冷(なまし)窯に入れてゆっくり冷ます。この技法はすべての吹きガラス製作における基本となっている。
溶かしたガラスを吹き棹と呼ばれるパイプに巻き取る

形を整えながら 風船のように息を吹き込んでふくらませる。

少量の熔けたガラスをつけた棒(ポンテ)を器の底につける

吹き棹を切り離す

口の部分を整えポンテをはずす

急激にさますと割れるのでゆっくり冷ますための徐冷窯に入れる。

 ▼ 型吹き
成形の時に 型を利用する方法で 宙吹きと同じように巻き取ったガラス種を 型に入れ先端から息を吹き込み種を膨らませる。 (ガレの技法「スフレ」も片吹きの一種)
 ▼ 被せガラス(きせガラス)
素地のガラスに別の色ガラスを被せて ガラスに色の層をつくる技法でカットに適している。 (薩摩切子 中国の乾隆ガラス アールヌーボー など)
型の中に色ガラスを吹き込み 型の内側に色ガラスの膜を作っておく。 その中に別の色のガラスを吹き込み 最初のガラスと溶着して 色が複層になったガラス生地ができる。 その後の成形は通常の型吹きによる吹きガラスと同様である。
宙吹きによるものは あらかじめ2種類の色ガラスの下玉をつくり それから外側に被せる色ガラスを内側になる色ガラスの底に溶着する。外側の色ガラスを棹から切り離し加熱しながら コテやハシで広げながら反転させて内側のガラスをすっぽりと覆うように溶着させる。
 ▼ アイスクラック
器全体に細かいひび割れを入れる技法で 高温のガラスを一瞬間水に浸して氷裂模様が生じたら 器を再び加熱してひび割れ部分をよくなじませる。
 ▼ 泡ガラス
熱く溶けた素地のガラスに剣山をさしたり 木片を入れてガスを 発生させて ガラスの中に気泡を生じさせる技法。 (気泡が光の乱反射によって美しい輝きを放つ)
 ▼ レースグラス
ヴェネツィアングラスの代表的な製作技法で 複雑な工程と熟練が必要な技法。あらかじめ 不透明の白いガラス棒を 等間隔に並べ棹でガラス種を回転させながら巻き取り 加熱しながら溶着させ鉄板等の上で形を整え ガラスをよじりながら引き伸ばし レース棒をつくる。 レース棒を切断して並べ吹き棹に巻き取って 宙吹きや型吹きと同様に成形する。
 ▼ サンド キャスティング
彫刻作品に適した技法で 砂型を使った鋳造法(キャスティング)。 まず原型の形を砂に押し付けて型を作りその窪みのついた跡に ガラスの種を流し込む(型を使って作ることもある。)
 ▼プレスグラス・型押し(プレス成形)
金属などで凹型と凸型を作る。

凹型の中に溶けたガラスを入れる

その上から 凸型の型を強く押しつける

徐冷後型から はずす

1827年にアメリカで導入されたプレス・ガラスは三ツ割りの割り型と棒ピストンを利用したセミオートマチックの工程で ガラスの成形と加飾を同時に行った。

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パート・ド・ヴェール


「ガラスの練り粉」という意味のフランス語で 耐火型の中に糊で練ったガラス粒を充填し 焼成窯で加熱して成形する鋳造法である。 起源は古く 古代メソポタミアの技法で吹きガラスの登場とともに滅び アール・ヌーボー時代に復活したが 各作家の秘伝だったため幻の技法と 呼ばれていた。 造形 着色透明度などが自在にできるため 最近はこの技法で製作する作家が増えている。

粘土 蝋(ろう)などで 原型をつくる

耐火石膏で鋳型をつくる。

できた鋳型の中に ガラスの粉や粒 それを特殊な糊で練ったものを充填する。

型ごとガラスが溶ける適切な温度で焼成する。(ガラス粒の大きさで透明度が変化)

徐冷後に型を割ってガラスを取り出し加工研磨して仕上げる。

▼ モザイクグラス
技法というより 器全体にモザイク文様を構成している作品を指し  パート・ド・ヴェールのように鋳型で作る方法と吹きガラスで作る方法がある。
金太郎飴のような 断面にさまざまな色や文様のガラス棒を作り その色ガラス棒を薄く切る。凹型の中に敷き詰めて凸型を合わせて加熱してガラスを溶着させる

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バーナーワーク


吹きガラスと並んで溶けたガラスを扱って成形 装飾する技法です。 昔は石油ランプの炎で成形していたので ランプワークとよばれて いましたが 今は小型のバーナーを使って成形します。
 ▼ トンボ玉
トンボ玉とは ガラスの玉の総称で 英語では(eye bead アイ ビーズ)中国語では 蜻蛉玉と呼ばれ(穴の開いた玉) 歴史はもっとも 古く 古代メソポタミア 古代エジプトの時代から おこなわれており 人々を魅了し続けています。その形もさまざまで 装飾のしかたも何種類もあり 作り手の技法によって 美しい文様が多種多様に溶かし込まれています。
その他にアクセサリー 小動物やミニチュアの造型が よく知られています。
鉄の棒などに あとでガラスをはずしやすいように離形剤を塗り 小型バーナーなどで溶かしたガラス棒を巻きつける。あらかじめ作っておいたガラス管やガラス棒などを再加熱しながら形成する。形を整えながら 別の色ガラスで装飾をほどこす。
 ▼ コアグラス(コア・テクニック)
  古代の小さな香油瓶 などを作るための技法で 金属製の棒に 耐火物を巻き付けてコア(芯)を作る ガラス棒を加熱しながら芯に巻き付けて成形する。 別の色ガラス棒を同じように加熱しながら 巻きつけたり 金属製の棒で ひっかいたりして模様をつくり 冷めてから芯をとりだす。  

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グラスフュージング


フュージングは 「モザイク・ガラス」に似ているが より低い温度で成形することができる。 ガラス同士の溶着を意味する技法で ガラス板や異なる2枚以上のガラス片を重ねてたり 並べたりして 電気炉などを使い 比較的低い温度で溶着徐冷させて製作する。( ガラスの温度が一度上昇するとガラスがどれくらい伸びるかという係数(膨張係数)の同じガラスを使用 )
 ▼ スランピング
沈下を意味し ガラスが加熱によって自重で沈下し始める性質を 利用して フュージングされたガラス等を耐火型(モールド)の内側に沿った形に成形させる技法
 ▼ ザギング


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グラヴィール


グラヴェールは 器の表面に彫刻する技法で陽刻と陰刻があり レリーフとして残す陽刻と 模様そのものを彫り込む陰刻(インタリオ)がある。心棒を機械のシャフトに嵌め込み 先端に付けられた小さな銅製のグラインダーを回転させながら ガラスの表面を削って装飾を施すのであるが グラインダーは大きさや形状も様々で グラヴェール工が必要に応じてそれらを交換して使用する。 グラインダーの先端にはオイルと混合した金剛砂を塗り この混合物が器の表面の下書きに従ってガラスに繊細な彫刻をほどこす。 鉛やポプラの木の円形板は仕上げの研磨に使われる。 (百種類ほどのグラインダーを使い分け 緻密な絵画的彫刻が可能)
中世の水晶彫りの技法を16世紀からボヘミアで使い始めた。

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サンドブラスト


エアコンプレッサーをつかう 新しい技法である 圧搾空気で金剛砂を吹き付けて ガラスの表面に彫刻をする技法で 他の彫刻技法に比べ彫刻の速度が速く 吹き付ける砂の粒子の大小や 圧搾空気の圧力の強弱によって 微妙な変化をつけることができる。
下絵に沿って彫刻しない部分を被膜で保護し金剛砂を吹きつけ 彫刻の深さやぼかしの程度によって 同じ工程を繰り返し彫刻 してゆく。
  元来は船の錆びを落とす手段であり 19世紀末から 使われるように なった。

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カット(切子)


イギリスやボヘミアが有名 透明 あるいは被せガラスのガラス生地や器にグラインダーで ガラスの表面にざまざまなパターンの幾何学文様などを彫刻し研磨仕上げする。名前のついた様々な文様の種類と グライダーの種類によって光の屈折によるガラスの美しさを際立たせる (江戸切子 薩摩切子) はじまりは紀元前にさかのぼる。

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エナメル絵付け(彩色)


ソーダガラス製容器にエナメル顔料プラチナラスター彩を焼き付けてガラスに絵を描く技法で ガラスの種類によって焼成温度に上限があり エナメルの種類によって窯の適正温度に注意が必要で 一色ごとに適正温度で焼き付けることが好ましいとされている。 (ガラスと一体化するので 剥落や変化が起こりにくい。)
ガラスに絵付けをするのには加熱する方法(エナメル絵付け)と加熱しない方法(油彩やニス塗料による絵付け)とがある。エナメル絵付けに使われるのは 透明 不透明ともガラス質の顔料である。 この顔料は金属酸化物によって発色するのだが 多量の鉛を含んでいるので容易に熔解する。 エナメルはマッフル窯の中で加熱するだけで輝かしい色彩に発色する。 またガラスに金 銀 ラスターで着彩することもできる。これらの金属酸化物は酸の中で熔解するので 油やニスなどの触媒と混合して使用できる。さらに銀か銅の金属塩からは 黄と赤の顔料も作られるが これは イエロークレイと混合して着彩する。 これらの顔料も同様にマッフル窯で加熱して発色させる。

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ステンドグラス


下絵から作った 型紙を用意する 2 型紙に合わせて ガラスをカットして グラインダーで   研磨して形を整える 3 溝のあるH型の鉛線 にはめ込み組み立てる 4 鉛線とガラスの隙間をパテでうめ おがくずを使って 余分なパテをとりのぞく 

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ガラスエッチング・ダイアモンドポイント彫刻


フッ化水素酸等の化学作用によって必要な部分を腐食させ 透明な部分を スリガラスにして模様や文字を描く技法で 現在 エッチングクリームという 一般に手軽に使用できる 薬品が開発されている。
ガラスにエッチングをする方法は17世紀後半にハインリッヒ・シュワンハルトによって始められた しかし彼がどんな酸を使ったのかは詳ではない。 結果から推察するとフッ化水素酸を使用したと考えられるのだが この酸は1777年まで発見されていなかったのである。ガラスの表面に貼った保護膜の文様部分を削り フッ化水素酸と硫酸の 混合液にひたすと その部分が腐食する。 アールヌーボー期に流行し ガレが華麗な表現を展開した。
▼ アッシド
フッ化水素と濃硫酸の混合液につけて表面を腐食させて凹版を つくる技法

 ▼ ダイアモンドポイント彫刻 
先端の尖った道具でガラスの表面を彫刻する技法で線刻(スクラッチング)と点刻(スティップリング)に分けられる。 微妙な彫刻表現が可能で繊細な技法である。先端に工業用ダイアモンドがつけられたペンで ガラスの表面に小さな点をひとつずつ打っていく。ダイヤモンド あるいは 硬い鉱物の細片をつけた道具で 線刻や点刻などの細かい文様をほどこす。(点刻の場合は 特に「スティップリング」と呼ばれる。) 

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